禁忌を含む使用上の注意

【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者


1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)腎機能障害のある患者[本剤は腎排泄されるため、排泄が遅延するおそれがある。]

(2)高齢者[筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。]

(3)肝機能障害のある患者[使用経験が少ない。]

(4)心拍出量の低下のある患者[筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。]

(5)浮腫性疾患の患者[筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。]

(6)アレルギー素因のある患者

(7)妊婦又は妊娠している可能性のある患者

(8)呼吸器疾患の既往歴のある患者[気管支痙攣を起こすおそれがある。]

(9)血液凝固障害を伴う患者[健康成人を対象とした海外試験において活性化部分トロンボプラスチン時間又はプロトロンビン時間の一過性の延長が認められている 1)。]

1):血液凝固パラメータへの影響(社内資料) 《119263》


2. 重要な基本的注意

(1)筋弛緩及び筋弛緩の回復の程度を客観的に評価し、本剤を安全かつ適切に使用するために、筋弛緩モニターを可能な限り行うこと。

(2)挿管困難が予測される患者に対しては、気道確保の方法について予め十分に検討を行い、緊急に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合の本剤16mg/kgの投与は、必要最小限の使用に留めること。

(3)自発呼吸が回復するまで必ず調節呼吸を行うこと(ガス麻酔器又は人工呼吸器を使用すること)。

(4)筋弛緩作用の残存による呼吸抑制、誤嚥等の合併症を防止するため、患者の筋弛緩が十分に回復したことを確認した後に抜管すること。また、抜管後も患者の観察を十分に行うこと。

(5)維持麻酔中に本剤を投与すると、浅麻酔となっている場合には、四肢や体幹の動き、バッキングなどが起こることがあるので、必要に応じて麻酔薬又はオピオイドを追加投与すること。

(6)手術後にロクロニウム臭化物及びベクロニウム臭化物の筋弛緩作用を増強する薬剤を併用する際は筋弛緩の再発に注意し、筋弛緩の再発が発現した場合は、人工呼吸など適切な処置を行うこと。

(7)本剤の投与後に筋弛緩剤を再投与する必要が生じた場合、再投与する筋弛緩剤の作用発現時間の遅延が認められるおそれがあるので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること 2,3)

2):筋弛緩剤(ロクロニウム臭化物)再投与時に関する検討(社内資料) 《119266》
3):本剤投与後のスキサメトニウム塩化物水和物の作用(社内資料) 《119268》


3. 相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
トレミフェン 筋弛緩状態からの回復の遅延又は筋弛緩の再発が生じるおそれがあるので、本剤投与後6時間以降に投与すること。 本剤に包接されたロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物と置換し、ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物の血中濃度が上昇することがある。
経口避妊剤 経口避妊剤の作用が減弱することがあります。経口避妊剤服用当日に本剤が投与された場合は飲み忘れた場合と同様の措置を講じること。 本剤と包接体を形成し、経口避妊剤の血中濃度が低下することがある。
抗凝固剤 本剤との併用により、抗凝固作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察するとともに血液凝固に関する検査値に注意すること。 作用機序は不明であるが、海外試験において、本剤4mg/kgと抗凝固剤の併用中に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はプロトロンビン時間(PT)の軽度で一過性の延長が認められている。

4. 副作用

承認用量(2~16mg/kg)での総投与例1,477例(国内試験99例、海外試験1,378例)中175例(11.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心38例(2.6%)、嘔吐19例(1.3%)等であった(承認時)。

1. 重大な副作用

(1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(潮紅、蕁麻疹、紅斑性皮疹、喘鳴、血圧低下、頻脈、舌腫脹、咽頭浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと 注)

(2)心室細動、心室頻拍、心停止、高度徐脈(頻度不明):本剤投与後数分以内に心室細動、心室頻拍、心停止、高度徐脈があらわれることがある。循環動態の観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

(3)冠動脈攣縮(頻度不明):冠動脈攣縮があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。

(4)気管支痙攣(0.3%未満):気管支痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

注):外国人健康成人に本剤を非麻酔下で投与したとき、アナフィラキシーを含む過敏反応は16mg/kg投与群で14/148例(9.5%)、4mg/kg投与群で10/151例(6.6%)認められました。


2. その他の副作用

  頻度不明 1~5%未満 1%未満
消化器 悪心、嘔吐
精神神経系 浮動性めまい、味覚異常
循環器 頻脈、徐脈、高血圧、低血圧
呼吸器 咳嗽
泌尿器 β-N-アセチル-D-グルコサミニダーゼ増加、尿中アルブミン陽性、尿中β2-ミクログロブリン増加
骨格筋
・結合組織
筋力低下
過敏症 潮紅、そう痒、発疹
その他 悪寒、体動

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