禁忌を含む注意

禁忌を含む注意

「禁忌」を含む製品添付文書の改訂に十分ご留意ください。

2. 禁忌

 2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

 2.2 重篤な肝機能障害のある患者及び肝代謝能が低下していると考えられる以下のような患者
 急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸[9.3.1、16.6.2参照]

 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[9.5、9.6参照]

 2.4 グレカプレビル・ピブレンタスビルを投与中の患者[10.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は、エゼチミブ10mgとアトルバスタチンとして10mgあるいは20mgとの配合剤であり、エゼチミブとアトルバスタチン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。[11.参照]

8.2 あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。

8.3 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

8.4 アトルバスタチン投与中に劇症肝炎等の肝炎があらわれることがあるので、悪心・嘔吐、倦怠感等の症状があらわれた場合には投与を中止し、医師等に連絡するよう患者に指導すること。本剤の投与開始又はアトルバスタチンの増量時より12週までの間に1回以上、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行うこと。[11.1.5参照]

8.5 無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど十分な観察を行うこと。[11.1.6参照]

8.6 高血糖、糖尿病があらわれることがあるので、口渇、頻尿、全身倦怠感等の症状の発現に注意するとともに、定期的に検査を行うなど十分な観察を行うこと。[11.1.7参照]

8.7 甲状腺機能低下症、閉塞性胆のう胆道疾患、慢性腎不全、膵炎等の疾患の合併、血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は、原疾患の治療、薬剤の切り替え等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること。

8.8 エゼチミブとフィブラート系薬剤の併用に関しては、使用経験が限られている。併用する場合は、胆石症などの副作用の発現に注意すること。フィブラート系薬剤では胆汁へのコレステロール排泄を増加させ、胆石形成がみられることがある。エゼチミブはイヌで胆のう胆汁中のコレステロール濃度の上昇が報告されている。[15.1、15.2参照]

9.特定の背景を有する患者に関する注意

 9.1 合併症・既往歴等のある患者

 9.1.1 糖尿病患者

  エゼチミブでは空腹時血糖の上昇及びアトルバスタチンでは糖尿病の悪化が報告されている。

9.1.2 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある以下の患者

  • 甲状腺機能低下症の患者
  • 遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者
  • 薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
  • アルコール中毒患者

アトルバスタチンでは横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。[11.1.3参照]

9.2 腎機能障害患者

9.2.1 腎障害又はその既往歴のある患者

 アトルバスタチンでは横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。[11.1.3参照]

9.2.2 腎機能検査値異常のある患者

 本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。
 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。[10.2、11.1.3参照]

9.3 肝機能障害患者

9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者及び肝代謝能が低下していると考えられる以下のような患者
急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸

 本投与しないこと。アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、アトルバスタチンは主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。[2.2、16.6.2参照]

9.3.2 中等度の肝機能障害のある患者

 投与しないことが望ましい。エゼチミブの血漿中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.2参照]

9.3.3 肝障害又はその既往歴のある患者(9.3.1、9.3.2に該当する患者を除く)

 エゼチミブでは肝機能障害の程度に応じて血漿中薬物濃度の上昇が認められた。アトルバスタチンは主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。[16.6.2参照]

9.5 妊婦

 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。エゼチミブとアトルバスタチンの併用投与において、ラットで胎児の発育抑制、ウサギで骨格奇形が認められている。アトルバスタチンの動物実験において、生児数の減少及び生存、発育に対する影響が認められ、胎児にも生存率低下と発育抑制が認められている。また、ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。[2.3参照]

9.6 授乳婦

 投与しないこと。エゼチミブでは、ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが、妊娠後から授乳期まで投与したラットで乳児への移行が認められている。アトルバスタチンでは、ラットで乳汁中への移行が報告されている。[2.3参照]

9.7 小児等

 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

 副作用が発現した場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。一般に生理機能が低下している。また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。[11.1.3、16.6.3参照]

10. 相互作用

 アトルバスタチンは、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。また、P-糖蛋白質(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP)、有機アニオントランスポーター(OATP)1B1/1B3の基質である。[16.4.2参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

10.2 併用注意(併用に注意すること)

11. 副作用

 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[8.1参照]

11.1 重大な副作用

11.1.1 過敏症(頻度不明)

 アナフィラキシー、血管神経性浮腫、発疹を含む過敏症状があらわれたとの報告がある。

11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)

 水疱性発疹があらわれたとの報告がある。

11.1.3 横紋筋融解症、ミオパチー(いずれも頻度不明)

 筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCKの上昇があらわれた場合には投与を中止すること。[9.1.2、9.2.1、9.2.2、9.8、10.2参照]

11.1.4 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明)

 アトルバスタチン投与中に近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある。

11.1.5 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

[8.4参照]

11.1.6 無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症(いずれも頻度不明)

[8.5参照]

11.1.7 高血糖、糖尿病(いずれも頻度不明)

[8.6参照]

11.1.8 間質性肺炎(頻度不明)

 長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

表:その他の副作用

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

 複合型高脂血症患者を対象にした海外の多施設二重盲検プラセボ対照試験(625例が12週間以内、576例が1年以内の投与)において、血清トランスアミナーゼの上昇(基準値上限の3倍を超える連続した上昇)の発現率(曝露期間で調整)は、フェノフィブラート単独群で4.5%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で2.7%であった。同様に、胆のう摘出術の発現率は、フェノフィブラート単独群で0.6%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で1.7%であった。CK上昇(基準値上限の10倍を超える)については、本試験のいずれの群でも認められなかった。
また、エゼチミブとフェノフィブラート併用における一般的な有害事象は腹痛であった。なお、本試験は、頻繁に発現しない有害事象を群間で比較するようにはデザインされていない1)、2)。[8.8参照]

15.2 非臨床試験に基づく情報

 イヌでエゼチミブ(0.03mg/kg/日以上)の1ヵ月間投与により、胆のう胆汁コレステロール濃度が約2~3倍増加したとの報告がある3)。しかし、300mg/kg/日をイヌに12ヵ月間投与しても胆石あるいは肝・胆管系への影響はみられなかった4)。マウスに2週間投与(5mg/kg/日)しても胆のう胆汁コレステロール濃度への影響はみられなかった5)。[8.8参照]

1)Farnier M et al. Eur Heart J 2005; 26(9): 897-905.
2)McKenney JM et al. J Am Coll Cardiol 2006; 47(8): 1584-1587.
3)社内資料:肝臓・胆汁への影響(2007年4月18日承認、ゼチーア®錠CTD 2.6.6.8)
4)社内資料:毒性試験(2007年4月18日承認、ゼチーア®錠CTD 2.6.6.3)
5)社内資料:胆汁コレステロールへの影響(2007年4月18日承認、ゼチーア®錠CTD 2.6.6.8)

2020年9月改訂(第1版)

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